ジョシュアツリー直前の城ヶ崎ファミリーエリア
- 2014/12/26
- 20:11
2014年12月21日(日)
大津政雄、ダー、カケ、会員外(N嶋、T村)
ここのところ、城ヶ崎のクライミング前日に大雨が降る。一頃であれば行くか、行かないかで逡巡していたところであるが、積み重なった経験もあって、晴れの予報であれば中止する気持ちは全く起こらない。一抹の不安は、「ファミリーエリア」が上部になだらかな土の斜面を抱えているので、しみだしの影響がどこまで拡がっているかだった。南面の「ファザークラック」や北面の岩にしみ出しが目立つものの、乾きそうな朝の日差しと風だ。
今日は、このエリアに残されたクラックルートの「奔馬(ほんば)(5.10c)」と「梢クラック(5.10b)」を狙う。ダーちゃんには「クライミングの地域研究ですね」と揶揄される。確かに、エリアを潰していく登り方が僕には性に合っている。また、難しいルートを幾度もトライして落とすよりも、簡単でも未だに手を付けたことがないルートを登ることの方が喜びは大きい。そのことは11月に行った「カモメ島エリア」で味をしめてしまった。このエリアの情報は乏しく、自分の技量を念頭に、目視だけで登れるかを判断し、取り付く。沢登りや冬の藪尾根に共通した、自分で考え、判断していくことを少しでもクライミングに求めようとしているのかもしれない。「カモメ島エリア」の残されたルートが気になり、次の計画を頭に浮かべている。
「シスタークラック(5.9)」「アンクルクラック(5.9)」「新人クラック(5.10a)」「ファザークラック(5.10b)」「ブラザークラック(5.10)」を順次、各自再登やオンサイトしていく。他にはガイド講習の1パーティが同居するのみで、好きなところを登れる。
「シスタークラック」は水が流れた泥の筋が残り、少しの違和感も登るのには問題ない。「アンクルクラック」は大分地面が高くなり、下部の処理がやさしくなっていた。「ファザークラック」の下部左面が午前中はしみ出しで濡れる。上部の核心部も少し湿っていた。
「ファミリーエリア」に行くことを希望していたT村は、「新人クラック」まで、オブザベの上、イメージ通りの登りで順調にオンサイトしていく。「ファザークラック」も、入念なオブザベをしていたが、カムをセットしないまま核心部に入り、そこでフォールしてしまう。最後のカムセットが奥まったクラックであったが故に、下部の垂壁部に腿をしたたかうちつけてしまった。核心手前の膨らんだ部分にカムをセットすれば、衝撃はなかっただろう。セットも学習したことだろう。

「新人クラック」をオンサイトするT村
カケちゃんは5.9ぐらいまではトップロープで順当に登っていくものの、5.10aが今は一つの壁となるようだ。遅れてやってきたダーちゃんは、シスター、ファザーを矢継ぎ早に登っていく。

「アンクルクラック」を登るカケ

「ファザークラック」を再登するダー N嶋は「梢クラック」に挑む。かぶっている部分のクラックはとじているか、開いていても浅いリスクの大きそうなルートということもあって、文字通り挑むように登り出す。中段のレッジから上がランナウト必死の状況で、膝くらいの高さにカムとナッツを3個セットしても、落ち着かない。オンサイトトライは気持ちが奮い立たず、腕も張りロワーダウンしてきた。2便目でも途中のクラックには結局ナッツもセットできないまま、ランナウト覚悟でハングを越えていった。ルート取りを変え、見事、完登するのは流石だが、同じ芸当はできそうもない。

「梢クラック」を登るN嶋
僕は、雫の滴りも止まった頃を見計らって「奔馬」に取り付く。要所要所にセットできるクラックが隠れている。そして、核心部手前の細いクラックにマイクロカムとナッツ、その下のクラックに2番と0.5番のカムをバックアップにセットし、十分レストしてから一気に体幹を強いられる動きで越えることができた。

「奔馬」の核心部
「ファミリーエリア」の残っていた課題の一つをクリアし、「梢クラック」以外のクラックルートは一通り登り終えた。ついでに、その右隣のルート名は付されていない顕著なハンドからフィストサイズのクラックを登ってみる。「奔馬」から途中で右に分かれるルートは、カムもセットしやすく、登りやすく、グレード的には5.8ぐらいだろうか。

赤いラインが「奔馬」右隣の無名ルート
そして、最後にこのルートに張ったロープを使って「デルドイド(5.11a)」を登ってみる。左から右の縦カチへとつないでいく動きが起こせない。その上もフラッキングの連続となり、かなり厳しい。今の僕にはとてもリードできる代物ではなかった。
14時を過ぎる頃から風が強まり、波しぶきの飛沫が奥まで届くようになり、朝とはうって変わってかなり冷え冷えとしてきて、ジョシュアツリー遠征前のクライミングを終えた。
大津政雄
大津政雄、ダー、カケ、会員外(N嶋、T村)
ここのところ、城ヶ崎のクライミング前日に大雨が降る。一頃であれば行くか、行かないかで逡巡していたところであるが、積み重なった経験もあって、晴れの予報であれば中止する気持ちは全く起こらない。一抹の不安は、「ファミリーエリア」が上部になだらかな土の斜面を抱えているので、しみだしの影響がどこまで拡がっているかだった。南面の「ファザークラック」や北面の岩にしみ出しが目立つものの、乾きそうな朝の日差しと風だ。
今日は、このエリアに残されたクラックルートの「奔馬(ほんば)(5.10c)」と「梢クラック(5.10b)」を狙う。ダーちゃんには「クライミングの地域研究ですね」と揶揄される。確かに、エリアを潰していく登り方が僕には性に合っている。また、難しいルートを幾度もトライして落とすよりも、簡単でも未だに手を付けたことがないルートを登ることの方が喜びは大きい。そのことは11月に行った「カモメ島エリア」で味をしめてしまった。このエリアの情報は乏しく、自分の技量を念頭に、目視だけで登れるかを判断し、取り付く。沢登りや冬の藪尾根に共通した、自分で考え、判断していくことを少しでもクライミングに求めようとしているのかもしれない。「カモメ島エリア」の残されたルートが気になり、次の計画を頭に浮かべている。
「シスタークラック(5.9)」「アンクルクラック(5.9)」「新人クラック(5.10a)」「ファザークラック(5.10b)」「ブラザークラック(5.10)」を順次、各自再登やオンサイトしていく。他にはガイド講習の1パーティが同居するのみで、好きなところを登れる。
「シスタークラック」は水が流れた泥の筋が残り、少しの違和感も登るのには問題ない。「アンクルクラック」は大分地面が高くなり、下部の処理がやさしくなっていた。「ファザークラック」の下部左面が午前中はしみ出しで濡れる。上部の核心部も少し湿っていた。
「ファミリーエリア」に行くことを希望していたT村は、「新人クラック」まで、オブザベの上、イメージ通りの登りで順調にオンサイトしていく。「ファザークラック」も、入念なオブザベをしていたが、カムをセットしないまま核心部に入り、そこでフォールしてしまう。最後のカムセットが奥まったクラックであったが故に、下部の垂壁部に腿をしたたかうちつけてしまった。核心手前の膨らんだ部分にカムをセットすれば、衝撃はなかっただろう。セットも学習したことだろう。

「新人クラック」をオンサイトするT村
カケちゃんは5.9ぐらいまではトップロープで順当に登っていくものの、5.10aが今は一つの壁となるようだ。遅れてやってきたダーちゃんは、シスター、ファザーを矢継ぎ早に登っていく。

「アンクルクラック」を登るカケ

「ファザークラック」を再登するダー N嶋は「梢クラック」に挑む。かぶっている部分のクラックはとじているか、開いていても浅いリスクの大きそうなルートということもあって、文字通り挑むように登り出す。中段のレッジから上がランナウト必死の状況で、膝くらいの高さにカムとナッツを3個セットしても、落ち着かない。オンサイトトライは気持ちが奮い立たず、腕も張りロワーダウンしてきた。2便目でも途中のクラックには結局ナッツもセットできないまま、ランナウト覚悟でハングを越えていった。ルート取りを変え、見事、完登するのは流石だが、同じ芸当はできそうもない。

「梢クラック」を登るN嶋
僕は、雫の滴りも止まった頃を見計らって「奔馬」に取り付く。要所要所にセットできるクラックが隠れている。そして、核心部手前の細いクラックにマイクロカムとナッツ、その下のクラックに2番と0.5番のカムをバックアップにセットし、十分レストしてから一気に体幹を強いられる動きで越えることができた。

「奔馬」の核心部
「ファミリーエリア」の残っていた課題の一つをクリアし、「梢クラック」以外のクラックルートは一通り登り終えた。ついでに、その右隣のルート名は付されていない顕著なハンドからフィストサイズのクラックを登ってみる。「奔馬」から途中で右に分かれるルートは、カムもセットしやすく、登りやすく、グレード的には5.8ぐらいだろうか。

赤いラインが「奔馬」右隣の無名ルート
そして、最後にこのルートに張ったロープを使って「デルドイド(5.11a)」を登ってみる。左から右の縦カチへとつないでいく動きが起こせない。その上もフラッキングの連続となり、かなり厳しい。今の僕にはとてもリードできる代物ではなかった。
14時を過ぎる頃から風が強まり、波しぶきの飛沫が奥まで届くようになり、朝とはうって変わってかなり冷え冷えとしてきて、ジョシュアツリー遠征前のクライミングを終えた。
大津政雄