小川山でピザを焼く
- 2013/09/25
- 22:06
小川山でピザを焼く
2013年9月21日~22日
クライミングの聖地である小川山、そのベースとなる廻り目平の最大のアドバンテージは、直火が許されることであろう。これがあるが故に、テントサイトの多少の凸凹や傾きは許してしまう。毎回のように、間伐材や朽ちた倒木を集めては「ボーボー」と、あるいは「メラメラ」と、バーベキューの網を載せたり、夜の暖をとったり、語らいの輪の中心に置く。
こうした地の利を生かして、知り合いの大工のN原さんが自ら作り込んだステンレス製のピザ窯を持ち込んで、ピザパーティを開くイベントを企画した。生地をこね、発酵から生地の円型への伸ばし、具材のトッピング、窯での焼き上げまでをキャンプ場で行う、あり得ないものだ。作業台、ピザストーン、ピザピール、カッターなどの専用道具も、強力粉、薄力粉などの材料の配合も、こだわり尽くす。極め付きの焼き窯は、ステンレス製のドラム缶を特注であつらえ、上からも下からも熱が加わって抜群の一品に焼きあがる。そして、燃料はN原さんが持参した廃材で、火力に申し分はない。
こねあげた生地を1ピースごとに丸める
発酵した生地を丸く伸ばす
トッピングした生地をピールにのせる
特製ピザ窯
焼き上がったピザ
小川山で滅多にないことであるが、クライミングを15時に切り上げ、明るいうちから支度に入る。こねる作業、伸ばす作業、ピザ窯の火加減を調整する作業、ピザの焼き加減を見る作業などを分業化していくことによって、徐々に作業の完成度と速さが高まり、中には職人並みの一品に仕上がるものもある。味、量の満足感はもちろんのこと、子供を含めて17人の参加は、会話も盛り上がる作る作業から満ち足りた楽しく、美味しく、面白おかしく、騒がしく、そして、賑やかな時を楽しめた。
クライミングは、初日には参加者が行ったことのない「おむすび山スラブ」を選ぶ。離陸はバランシーな動きをこなし、後半は細かいスラブのランナウトに耐えるルートの数々だ。細かいスタンスに乗っている実感を味わいながら、体を引き上げる楽しく登れる「無名ルート」、「メイストーム」、「ラベンダー」「ほにゃらごっこ」、「リメンブランス」にトップロープを張る。
無名ルートを登るM
ラベンダーを登るK藤
メイストリームをレッドポイントしたM子
ほにゃらごっこをレッドポイントしたM子
最後に一番右の「パイプライン」に初挑戦、クラックに3番のキャメロットをセットし、3本目にのボルトにクリップするところ、そして、4本目にクリップする前が核心である。上部のスラブは他のルートのような小さなポケット状の部分が少なく、突起を拾っていく厳しいスラブに感じられた。4ピン目のクリップ前の縦ガバが見つけられず1テンしてしまったことが悔しい。上部の圧迫感から、5.10dのスラブルートという実感の湧くルートであった。
パイプラインを登るU松
翌日はフェース組みとクラック組に分かれて行動する。クラック組はアプローチの比較的長い砦岩を目指す。駐車場同様に、先週の台風でアプローチは随分と荒れた感じに様変わりしている。詰め上がった岩場の基部の広場に荷物を拡げ、ワイドクラックに慣れるため5.9クラスのルートを登りこむ。まずは、左側のエリアからは「シャイライツ」を選ぶ。埃っぽく、多少脆さが気になるものの、カムを決めやすく、また、ワイドとは言うものの左右の壁にステミングを利かせられ、比較的登りやすい。
シャイライツでカムセットのトレーニングをするU松
次にオフィズスサイズの「飛び出せ青春」。キャメロット4番、5番、6番を一個ずつ肩に下げて臨む。デカカムを核心まで温存するため、下部では奥の細めのクラックに1番をセットし、オフィズスに入る。左側のフェースは乾燥しているものの苔がびっしり張り付き、スタンスを隠す上に、滑りやすくしている。右半身をクラックに入れ、足をヒール&トゥーにして、アームバーで堪えて6番を決め、徐々にずり上がる。5番カムを決め、左上部に見える凹凸を捉えるまでが核心のようだ。ランナウトに耐えながら一部レイバックを入れ、左のホールドを手にする。上部は左半身をクラックに入れて、バックアンドフットで越えた。ボルトはなく、ピナクルにスリングを巻きつけた終了点となっていた。
飛び出せ青春
最後に、「密林のマドンナ」の1ピッチ目にオンサイトチャレンジ。中間部から上部がワイド部分で、中間部はヒール&トゥで体をずり上げ、上部はバックアンドフットで体を突っ張る。意外に終了点のダイクに上がるところがバランシーだ。終了点を補強するために6番のカムをセットして、トップロープ支点をセットする。何れも5.9ではあったが、ゼイゼイハアハア言わせるワイドクラックの練習になった。
道を登りつめた正面にある密林のマドンナ
意外にバランシーな終了点間際
O津M雄
2013年9月21日~22日
クライミングの聖地である小川山、そのベースとなる廻り目平の最大のアドバンテージは、直火が許されることであろう。これがあるが故に、テントサイトの多少の凸凹や傾きは許してしまう。毎回のように、間伐材や朽ちた倒木を集めては「ボーボー」と、あるいは「メラメラ」と、バーベキューの網を載せたり、夜の暖をとったり、語らいの輪の中心に置く。
こうした地の利を生かして、知り合いの大工のN原さんが自ら作り込んだステンレス製のピザ窯を持ち込んで、ピザパーティを開くイベントを企画した。生地をこね、発酵から生地の円型への伸ばし、具材のトッピング、窯での焼き上げまでをキャンプ場で行う、あり得ないものだ。作業台、ピザストーン、ピザピール、カッターなどの専用道具も、強力粉、薄力粉などの材料の配合も、こだわり尽くす。極め付きの焼き窯は、ステンレス製のドラム缶を特注であつらえ、上からも下からも熱が加わって抜群の一品に焼きあがる。そして、燃料はN原さんが持参した廃材で、火力に申し分はない。
こねあげた生地を1ピースごとに丸める
発酵した生地を丸く伸ばす
トッピングした生地をピールにのせる
特製ピザ窯
焼き上がったピザ
小川山で滅多にないことであるが、クライミングを15時に切り上げ、明るいうちから支度に入る。こねる作業、伸ばす作業、ピザ窯の火加減を調整する作業、ピザの焼き加減を見る作業などを分業化していくことによって、徐々に作業の完成度と速さが高まり、中には職人並みの一品に仕上がるものもある。味、量の満足感はもちろんのこと、子供を含めて17人の参加は、会話も盛り上がる作る作業から満ち足りた楽しく、美味しく、面白おかしく、騒がしく、そして、賑やかな時を楽しめた。
クライミングは、初日には参加者が行ったことのない「おむすび山スラブ」を選ぶ。離陸はバランシーな動きをこなし、後半は細かいスラブのランナウトに耐えるルートの数々だ。細かいスタンスに乗っている実感を味わいながら、体を引き上げる楽しく登れる「無名ルート」、「メイストーム」、「ラベンダー」「ほにゃらごっこ」、「リメンブランス」にトップロープを張る。
無名ルートを登るM
ラベンダーを登るK藤
メイストリームをレッドポイントしたM子
ほにゃらごっこをレッドポイントしたM子
最後に一番右の「パイプライン」に初挑戦、クラックに3番のキャメロットをセットし、3本目にのボルトにクリップするところ、そして、4本目にクリップする前が核心である。上部のスラブは他のルートのような小さなポケット状の部分が少なく、突起を拾っていく厳しいスラブに感じられた。4ピン目のクリップ前の縦ガバが見つけられず1テンしてしまったことが悔しい。上部の圧迫感から、5.10dのスラブルートという実感の湧くルートであった。
パイプラインを登るU松
翌日はフェース組みとクラック組に分かれて行動する。クラック組はアプローチの比較的長い砦岩を目指す。駐車場同様に、先週の台風でアプローチは随分と荒れた感じに様変わりしている。詰め上がった岩場の基部の広場に荷物を拡げ、ワイドクラックに慣れるため5.9クラスのルートを登りこむ。まずは、左側のエリアからは「シャイライツ」を選ぶ。埃っぽく、多少脆さが気になるものの、カムを決めやすく、また、ワイドとは言うものの左右の壁にステミングを利かせられ、比較的登りやすい。
シャイライツでカムセットのトレーニングをするU松
次にオフィズスサイズの「飛び出せ青春」。キャメロット4番、5番、6番を一個ずつ肩に下げて臨む。デカカムを核心まで温存するため、下部では奥の細めのクラックに1番をセットし、オフィズスに入る。左側のフェースは乾燥しているものの苔がびっしり張り付き、スタンスを隠す上に、滑りやすくしている。右半身をクラックに入れ、足をヒール&トゥーにして、アームバーで堪えて6番を決め、徐々にずり上がる。5番カムを決め、左上部に見える凹凸を捉えるまでが核心のようだ。ランナウトに耐えながら一部レイバックを入れ、左のホールドを手にする。上部は左半身をクラックに入れて、バックアンドフットで越えた。ボルトはなく、ピナクルにスリングを巻きつけた終了点となっていた。
飛び出せ青春
最後に、「密林のマドンナ」の1ピッチ目にオンサイトチャレンジ。中間部から上部がワイド部分で、中間部はヒール&トゥで体をずり上げ、上部はバックアンドフットで体を突っ張る。意外に終了点のダイクに上がるところがバランシーだ。終了点を補強するために6番のカムをセットして、トップロープ支点をセットする。何れも5.9ではあったが、ゼイゼイハアハア言わせるワイドクラックの練習になった。
道を登りつめた正面にある密林のマドンナ
意外にバランシーな終了点間際
O津M雄